ロンリーファイター
ー
「……」
「……」
そうして家にあがった田口くんをリビングに通し、ソファの前に置かれた小さなテーブルにケーキを置いた。
「ワンホール…これ自分で買ったんすか?」
「なわけないでしょ。親が送ってきたの。本当余計なお世話だよねぇ」
「確かに。一人で食べるのはキツイっすね」
「コーヒーでいい?」
「はい…いや、俺淹れるっす」
「さすがにインスタントくらい普通に淹れられるわよ!」
「椎菜さんはいつもお湯多すぎなんすよ」
はいはい、と返事をしながら私は慎重にお湯を淹れる。
「はい、どうぞ」
そしてテーブルには、コーヒーの入ったカップが二つ並んだ。