ロンリーファイター
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レストランで軽く飲み終えた帰り道、家の方向が同じ俺と椎菜さんは、家へ続く夜道を歩いて行く。
「……」
「……」
涼しい秋の夜風が、少し長めのその髪を揺らした。
「はー…呑んだ。ほろ酔いで気持ちいー…」
「……」
コツ、コツ…と夜道に鳴るヒールに俺は無言のまま。彼女はそんな俺の顔を覗き込むようにして見た。
「何か、機嫌悪い?」
「え?」
「滝さんといる時もずっと無言だったからさ」
「…いつも通りっす」
「そう?ならいいけど…」
自分ではなんてこと無いフリしてるつもりでも、案外バレているらしい。それを誤魔化すように、くしゃっと髪をかく。