ロンリーファイター





『在庫を減らさないで新しいものをとにかく作る、なんて繰り返してるから在庫過剰になるんでしょ!?なら一部のコーナーで在庫セールなりして減らさなきゃしょうがないって何でわからないわけ!?』

『だからそんなものは後回しでいいと言っているんだ!わからない女だな!!』

『わからないのはどっちよ!?後で後でで商品はダメになってロスが増す一方だっての!!』

『あー…またやってるのか』

『?』

『今怒鳴ってる奴、怖い女でさぁ。ああしてしょっちゅう部長と揉めては怒鳴ってんだよ』

『……』





怒鳴り声、怖い人。

それらの言葉から、どんないかつい人だろうと想像した。

けれど、





『まぁまぁまぁ!とりあえず今日は一旦会議終了で!な!行くぞ椎菜!』

『っ〜…』

ーガチャッ





ドアを開け滝さんに連れられる形で会議室から出てきたのは、背が高く、細い体の見た目まだ若い女の人で





『っ…何よあれ!女はうるさい、女は細かいってバカにして!!分かってない!絶対部長は今の在庫状況わかってない!!!』





相当悔しい思いをしたのか、その顔は半泣きをしながらも怒っていた。




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