ロンリーファイター
『落ち着けって…あれ、どうした?』
『滝さん、彼今日から入ったバイトです』
『あぁ、そういえばそんなこと言ってたな。西島の弟の友達、だっけ?』
『田口涼平です。よろしくお願いします』
『どうも。滝浩輔です。…ほら椎菜!お前も挨拶!』
『……』
けれど滝さんに肩を叩かれこちらを見た途端、スイッチが切り替わったようにその顔つきは真っ直ぐに変わった。
『稲瀬椎菜です、よろしく』
『……』
シーナ、なんて苗字みたいな名前だな。
そう思うと同時に、真っ直ぐな目をした綺麗な人だと、そう思いながら差し出された手を握った。