ロンリーファイター
「で?自分の気持ちに素直になれたか?ん?」
「…余計なお世話っす」
「まぁ怒るな怒るな!騙すようなこと言って悪かったよ!」
やはり先日の件は本人としてはからかいだったようで、無言で見る俺にあははと笑い飛ばす。
「…そういうタチ悪いことばっかしてるからバツが3つもつくんじゃないすか」
「!!椎菜の奴喋ったな…!」
「……」
「けどいいきっかけになったろ?」
「……まぁ、」
遊ばれたことは気に食わないけれど
まぁ、きっかけになったことは確かで
「これに懲りたらもう少し、がっついてやってみることだな」
滝さんはそう言いポンと俺の肩を叩くと、また部屋を出て行く。