ロンリーファイター



「誰!?」

「え!?」



派手なメイクにミニスカート、そして生足…と若々しさを感じる格好をしたその子は、わたしを見るなり不機嫌な顔つきでズカズカと部屋へ上がりこむ。



「ちょっと涼平!!この人誰!?何でいるの!?」

「ん〜…」

「起きなさいよ!!ちょっと!!」

「あ、そんな無理矢理叩き起こさなくても…」

「あんたは黙ってて!ほら起きなさいよ涼平!!」



そしてバシバシと彼の頭を叩き、力ずくで田口くんを起こした。
騒がしさと叩かれたことにようやく目を覚ました田口くんは、眠そうな目を彼女へと向ける。



「…何してんの…」

「何って涼平が学校来ないから迎えに来たんじゃん!!そしたら何!誰これ!!」

「え、えーと…」

「誰って…会社の上司?」





上司、?





「ただの上司が何でついさっきまで一緒に寝てました、って顔でここにいるわけ!?」

「何でって…何で?」





何で、?





「はぁ!?何それ!!わけわかんない!!」

「いや、俺も昨日酔っ払っててよく覚えてなくて…」

「……」





覚えて、ない




< 178 / 333 >

この作品をシェア

pagetop