ロンリーファイター
緊張感に包まれながら見渡すホテルのロビー。キラキラとしたシャンデリアに、真っ赤な絨毯…とどこを見ても高級感がある。
(ていうかこんな高級なホテルで待ち合わせってあたり、私みたいな一般人とは感覚が違う気が…)
「…稲瀬さん、ですか?」
「?…あ、はい」
するとかけられた声に振り向くと、そこには私と同じくらいか少し年上か…スーツを着た男の人がいた。
「初めまして、高城広嗣と申します」
「高城…ってことは、社長の息子さん!?」
「はい。いつも父がお世話になっております」
「いっいえいえ!こちらこそ大変お世話になっておりまして…!!」
突然の登場にわたわたと慌てる私を見て、その人…高城さんはクスリと笑う。
「…じゃあ、とりあえずあちらでお茶でも飲みませんか?」
「あ…はい」
「行きましょう」