ロンリーファイター
「聞けば仕事一筋で、そういったお話があまりないそうで」
「あはは…お恥ずかしい」
「いえ、そこまで一心に仕事が出来る女性なんてなかなかいませんから」
「……」
にこにこと細められていた目は開かれ、しっかりとこちらを見つめる。
「そんなあなたのことを格好良いと思いますし、人生のパートナーになるならそんな人がいいと思いました」
「……」
「ゆっくり考えてくださって構いません。結婚も…何年先になっても構いません。だからまずは、お付き合いして頂けませんか」
「…、」
誠実なその目は本気で、思わず返す言葉に詰まる。
(…お付き合い、って…)
一瞬ちらりと脳裏に浮かぶのは、“彼”の顔。