ロンリーファイター



「それに相手は社長の息子で、子会社とは言え社長やってて…そんな人に俺が敵うわけないじゃないっすか」





全てにおいて、俺と真逆。

滝さん以上に高い壁。





「いくら負けたくないと思っても、椎菜さんがどっちが幸せか考えたら答えは明白だし」





向こうの方が、きっと彼女は幸せになれるから





「っ…」



諦めを言葉にする俺に、その瞬間滝さんはドンッ!!と勢いよく、グラスをテーブルに叩きつけた。



「…おい田口」

「…はい?」

「この前俺がどうしてお前を焚き付けるような真似したか、わかるか?」

「?」

「俺はなぁ、お前みたいな男が大嫌いなんだよ!!!」

「…へ?」

「何が草食系だ馬鹿野郎!!自分から攻める勇気のないただの骨なしチキン野郎だろうが!!」

「あの、滝さん…声でかいっす」

「男なら正々堂々、好きなら好きだって言えばいいじゃねーか!!!」

「とにかく落ち着いてくださいよ」



席を立ち力説し始めた滝さんを座らせ、落ち着ける。


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