ロンリーファイター
(あれ、どこかで見た顔…)
「…!あ!!この前涼平の部屋に泊まってた女!!」
「へ??…あっ」
よくよく見ればその子は、以前涼平くんの家にやってきては合鍵で入ってきた女の子…涼平くんの元彼女だと思い出す。
確か杏里ちゃん、だっけ…。
「こんな所で何してるわけ?」
「え!えーと、涼平くんに…会いに」
「ふーん…やっぱり涼平と付き合ってたんじゃん。あの時は必死に上司だって弁解しておきながら」
「それは、その…」
「……」
あの時は確かに否定したけれど、その後付き合うことになった…とわざわざ言うべきなんだろうかと考える私に、彼女…杏里ちゃんは強気に言いながらこちらを見つめて近付く。
「…あ、あの…」
「あんた、いくつ?」
「え?30だけど…」
「だろうね。ぱっと見は若いけど、肌のハリ、目元のシワ、髪のツヤ…全部あたし以下!」
「!!」
「今はいいけど仕事やめたり出産したりしたら一気にくるね。絶対老ける」
「!!!」
な…何をいきなり…!!
突然のその言われようにショックを受ける私にも、構わず言葉を続ける。