ロンリーファイター



一人は寂しい

けど、誰でもいいわけじゃない

だからこそ抜け出せずにいる孤独





「ふーんだ!でもいいんだもーん!しごとのおにはしごととけっこんするんだもーん!」

「はいはい、タクシーで騒がないでください」



田口くんはそう言い、宥めるようにポンポンと私の頭を撫でて肩に抱き寄せる。



「……」



酔っ払いだと思ってバカにしてるな…

…でも、いい匂い。男の子の匂いっていうか、田口くんの匂いがする。

手も大きいし、低い体温がひんやりして気持ちいい…



(…あーまずい、男の人に触れるの自体久しいから意識する)



いい歳して何してるんだって感じだけど

でも…今だけ。今だけだから



たまには、誰かに甘えさせてー…




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