ロンリーファイター



ーペチンッ!

「わっ!」



そう話をしていると、突然背後から佐藤さんの頭を叩いた書類の入ったクリアファイル。

それを持っていたのは噂をすれば何とやら…涼平くんだった。



「!りょっ涼平くん!?」

「佐藤、あんま余計なこと言うな」

「えーっ、だってぇ」

「な…何で…」

「これ、忘れ物。滝さんが届けてやれって」



涼平くんはそう言って、その書類を手渡す。



「…あっ、じゃあ私売り場戻りまーす」

「えっ、佐藤さ…」

「お二人でごゆっくり♪」



すると空気を読むかのように、佐藤さんはそそくさとバックヤードを出た。


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