ロンリーファイター

好きだから余計に、嫌われたくない。離れて行かないでほしい。

不安になる。

恥ずかしいとか思われてたらどうしようとか、嫌なことばかり浮かぶ。



「好きだから不安になるんですよー！！」



そう嘆くとテーブルに置かれた滝さんのグラスを奪い、グビグビとビールを飲み干した。



「あー…俺のビール。つーか今日お前ペース早すぎ。またベロベロになるぞ」

「そしたら帰りはタクシーで家までお願いします」

「お前の世話は面倒なんだよなぁ…」



(…半ば八つ当たりってことも、わかってるけど)



「ビールお持ちしました〜」



運ばれてきたおかわりに、私はまたグビグビと飲む。



「…お前が知らないだけで、意外と田口も不安だと思うけど」

「？」

「まぁ、そこは本人から直接聞いた方がいいだろうな。俺が口出すのもどうかと思うし」

「……」





涼平くんも、不安に思ってる？

その言葉に思い出すのは




『悪かったな、最低で』