ロンリーファイター



ー…



「…ーはい、着いたよ」

「ほら椎菜、家だぞ」

「はーい…」



マンションの前に止まったタクシーに、開くドア。そこから滝さんに連れ出され、私はヨロヨロとタクシーを降りる。



「うう…力が入らない〜…」

「だから飲み過ぎだって言っただろうが。ほら、降りろ」



あれから数時間後。滝さんの制止も聞かず飲み続け、案の定酔っ払いと化した私は歩くことも不安定な状態となっていた。



「大丈夫か?部屋まで送るか?」

「大丈夫です〜…わっ」

「っと、」



大丈夫、そう言いながらも後ろにひっくり返りかけた私に、滝さんは後ろから抱きとめるように受け止める。


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