ロンリーファイター







「ちょっ、ちょっと涼平くん…」

「……」



マンションの二階へと上がってきた涼平くんは、私の腕を掴んだまま手から鍵を奪い鍵穴へ差し込む。



「ねぇ、腕痛い…」

「……」

ガチャガチャ…ガチャッ

「涼平くんってば、…わっ!」



そして手早くドアを開け私を玄関へ押し倒し、そのまま貪るようにキスをした。



「んっ…」

「…、…」



押さえつける力に求めるようなキス。それは、いつもとは全く違う。



「…杏里とちゃんと話してきた」

「え?」

「向こうも納得したし、鍵も返して貰ってきた」

「……」





『話してくるから』





(そういえば昼間、言ってたっけ…本当にすぐ話してきてくれたんだ)



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