ロンリーファイター
ごめん。ごめんね、涼平くん。
好きだから不安になる気持ちはら私も涼平くんも同じなんだ。
年上には年上の、年下には年下の、好きだからこそ抱える悩みや不安がある。
「……」
涼平くんはようやく小さく笑みを見せると、ちゅ、と軽いキスをする。
「だから、滝さんと言えど男と二人きりで飲みに行くの禁止」
「…はーい」
「酔い潰れるのも弱くなるのも、俺の前だけ」
簡単に、揺らぐ心
いつも不安と戸惑いばかり
「可愛い顔、見せるのも」
でもそれを、そっと受け止める温もりがある。
「…うん」
今までずっと、一人がむしゃらに走ってきた。
けど今、素直にその手を取り生きたいと思えるのは、きっとあなたの手だから。
30歳の私と、20歳の彼。
これから課題も壁も山積みで、それに悩みながらも仕事にも頭を抱えてどうしようもない日も、あるんだろう。
でも、大丈夫。
大好きなあなたとなら、どんなことも乗り越えていける。
どんな未来も、怖くない。
だから、いつだって
笑って泣いて戦って、胸を張って生きていく。
『俺の手をとって、生きてみませんか』
もう、ひとりなんかじゃない。
そう信じられる
あなたとの、明日があるから
end.