ロンリーファイター
三度目は…そう過去を思い出しながら、着いた会社でエレベーターに乗り込む。
(…っと、五階…)
そして5の文字のボタンを押した時
「…すみません、乗ります」
「……」
後ろから乗り込む、黒のセミロングの女性。
「……」
「…、…」
お互いの視線は一瞬だけ交わり、すぐに避けるようにそらされた。
「…何階?」
「あ…四階、で」
(…知ってる、)
分かってて、聞いた。
彼女は四階にあるうちの会社の管理部の事務員で、石田詩織という。確か歳は、28だっただろうか。
大人しくて控えめな子で…そして、俺の三番目の元妻だ。