ロンリーファイター



「…なによー…」

「稲瀬さん、わかってます?俺、一応男」

「わかってるわよ!けどかんけーないし!かえるならかえれば!」

「だから、そのままじゃ絶対風邪引くって」

「へいきだってば!しょっちゅうはんらでねてるし!」

「……」



すると、空いているその右手はそっと私の頬を撫でる。



「…そういう姿見せられたら、襲うっすよ」

「やれるもんならやってみろー!どーせわたしなんて、いろけのかけらもないおんななんだからー!」

「……」



反論する私に、見つめる目は真っ直ぐで



(…あれ、)



本気だったり、するのかな。

そう思ううちに近付く顔



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