ロンリーファイター


「律…」

「近くにいすぎて、わからなくなっちゃう時もあるかもしれないけど…あたし、やっぱりあんたが好きみたい」




腕の中からこちらを見上げた顔は、あの頃と同じ優しい笑顔。



「…、」



そんな律が愛おしくて、俺はそっとキスをした。



「…だから、その…田口とは、別れてくれ!」

「へ?え??」



思い切ってその話題を出した俺に、律は意味がわからなそうに首を傾げる。



「田口くん?何で??」

「何でって…昼間お前、あいつといただろうが」

「え?あ、うん。偶然行きあって…でも買い物付き合ってただけだよ?」

「へ?」



か…買い物?



< 324 / 333 >

この作品をシェア

pagetop