ロンリーファイター



「あー…彼女へのプレゼントなんてそこで正直に言ったら格好悪いもんなー」

「…そうなんすよ」



はぁ…と肩を落としオフィスを出る田口に、つい先日の自分の姿が重なり他人事とは言え心が痛くなる。



(…頑張れ田口…!)

心の中で励ましながら、書類を手に稲瀬のデスクへと向かった。



「稲瀬ー、この書類…」

「…何?」



が、その稲瀬はパソコンに向かいながらもイライラとしている様子で機嫌が最悪なのはすぐに感じ取れる。



(き、機嫌悪…)

何だ何だ、朝から何怒ってんだか…、その様子にふと思い出すのは昨夜の律が話していたこと。



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