ロンリーファイター
「稲瀬」
「何?」
「あんまり田口のこと怒ってやるなよ。あいつが一緒にいたの、うちの律だから」
「へ?そうなの?」
「そ。だから浮気とかくだらねー心配しないで黙って待っとけ」
「何よそれ…、ってあれ?何で涼平くんと喧嘩したの知って…??」
「……」
状況についていけなそうに首を傾げたままの稲瀬に、俺は笑いながらその場を去る。
(今回はからかわずに、見守ってやるか)
歳の差二人の恋愛は
この先どんな風に転がるのか
とりあえず
その薬指に指輪が一つ輝くのは
もう少し、先の話
end.