ロンリーファイター



細い体の私よりすこし高い身長をした、茶髪にパーマをかけた、今どきの子といった見た目の若い男の子。アルバイトの田口涼平くんは、まだ19歳の大学生だという。

社員の私たちでは手が回らない細かい雑務中心のバイトだけれど、時給がいいこともあって学校そっちのけで出勤してばかりいる。



まぁ愛想のある方じゃないから、こういう仕事が合うんだろうけど……。

彼は、見た目も中身も何というか今時の男の子。



「田口くん、綾乃にもコーヒーちょうだ~い」

「どーぞ」

「ありがと~!ねぇねぇ、田口くんは彼女とか……」

「俺まだコーヒー配らなきゃいけないんで」

「やーん冷たぁい。けどそこがまたかっこいい〜」



峰岸さんにも心揺らぐこともなくそっけない、草食系だ。



< 8 / 333 >

この作品をシェア

pagetop