ロンリーファイター
「…なに?」
「あ…えと、そろそろ帰ろうかなー…なんて、」
「…かえさないって、いったら?」
「え?」
すると彼はじりじりと距離を詰め、それに追い込まれるように私も後ろへと下がる。
「あ、あの…田口くん?」
「……」
「えーと、その…わっ!」
いつの間にかベッドの際まで来ていたらしく、気付かず後ろに下がっていた私の体はベッドの上へボスンッと尻餅をついた。
「…、」
それでもまだ止まる気配のない田口くんは、ギシッとベッドを鳴らしては私をそのまま押し倒す。
「……」
「…、…」
じっとこちらを見つめる目は、吸い込まれそうな瞳。
「…しーなさん、」
「…、」
肩を抑える大きな手、ふわりと漂う彼の匂いとお酒の匂い。
それらが、ますます
鼓動をうるさくさせる