もう一度、キミと。


僕が思っていた通り、真音は芸術系の本が置いてある本棚の近くのベンチに座っていた。


僕は断りもせず、真音の隣にどかっと座った。


「ここね、今までに読んだことのない本がたくさんあるよ。誰かが好きで頼んでたのかな」


真音はものすごいスピードで本に目を通している。

意外と読書が好きっていうこのスタイルは昔と変わってないんだな、なんて思っていたら

「意外とか思ったでしょ」

と言われてしまった。


恥ずかしくなった僕は、立って近くの本棚を見た。

ショパンワルツ全集、ベートーベンソナタ全集、バッハエチュード………

本だけじゃない、楽譜までこの図書館にはある。


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