もう一度、キミと。


椎花さん、しい………

「あぁ!しいちゃん!」

「そうだよ椎花だよー。よかった覚えててくれてた」


そう言って、しいちゃんは微笑んだ。

椎花さん、しいちゃんは僕らの7つ年上のピアノの先輩だった。

僕のはるか上の実力で(7歳も違うから当たり前なんだけど)ずっと僕の憧れだった。

ボブだった髪はロングになり、すらっとしていて、さらに大人っぽくなっていた。

「翼くん、大きくなったねー」

相変わらずおっとりしていて、また微笑んだ。





< 127 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop