もう一度、キミと。
椎花さん、しい………
「あぁ!しいちゃん!」
「そうだよ椎花だよー。よかった覚えててくれてた」
そう言って、しいちゃんは微笑んだ。
椎花さん、しいちゃんは僕らの7つ年上のピアノの先輩だった。
僕のはるか上の実力で(7歳も違うから当たり前なんだけど)ずっと僕の憧れだった。
ボブだった髪はロングになり、すらっとしていて、さらに大人っぽくなっていた。
「翼くん、大きくなったねー」
相変わらずおっとりしていて、また微笑んだ。