もう一度、キミと。
「あ、そうだ真音ちゃん。湊くん、もう出来たって言ってたよー。奥にいるから声かけてみて」
「ほんと!?さすが湊さん!!」
キャーとはしゃぎながら真音は店の奥に行った。
真音の言う、湊さんという人を僕は知っている。
真音の先輩バイオリン弾きで、コンクールで何度も優勝していた。
確か、椎花さんと同い年だったはずだ。
そういえば、と僕はさっきふと気になったことを椎花さんに尋ねた。
「椎花さんは、今なにしてるんですか?大学、とか?」