もう一度、キミと。


少し沈黙。

と言うか、僕に視線が集まってるのは気のせい……ではなさそうだ。


「あの……?」


「俺らの結婚式には、翼くんと真音ちゃんには出席してもらおうと思ってるんだ」

「いいんですか?」

「うん、そこでね」

と、今度は椎花さんが口を開く。


なんだろう、僕に神父役をやれとか言い出すのかな。

なんておかしなことを考え出す僕。


「ふたりで演奏してもらえたらなーって思ってるの。私たちを結んでくれたのは音楽だから、私たちは演奏できないから」


なるほど。

確かに結婚式の演奏は華やかだから楽しいけれど…


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