もう一度、キミと。


僕らは無言で歩いた。

真音は僕の少し後ろを歩くので、途中ちゃんと着いてきているか不安で、何度か振り向いた。

振り向くと真音はずっと下を向いたままで、何か考えているようだったから僕は特に声はかけなかった。

「 …決めた。僕、明日から昼休みは音楽室でピアノの練習をするよ」

え?という顔で真音は僕を見上げた。

やっと真音の顔が見れたから、僕は少し微笑んだ。

「オリエンテーションのとき、音楽の先生が言ってたでしょ?昼休みは音楽室を開放してるって。真音が練習するなら、僕も練習しようかと思ってさ。家のピアノじゃ、もう音が狂ってるだろうし」


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