只今、黒天使に仕えてます
幌の中に入ると、デアの体が少しずつ元に戻って行った。

……どんな仕組みなんだ!?

自分の体が戻ってきてるのは、当たり前の規定事項だったようで、デアは暗闇の中で神妙な面持ちで口を開いた。

「…………ここに来てもらったのは他でもねえ、お前に頼みたい事がある」

「助けてもらったのは俺だ。なんでも聞こう」

「聞いてくれるのか? 氷水さん?」

「聞くだけだからな」

「まるで、ランプの精の様に聞くだけ聞いてやろうってか?」

「『よし、聞いたから。帰る』っていうランプの妖精がいてたまるか!」

「ランプの妖精と言えば、アラジンのジーニーっているじゃん。
 あいつって3つしか願いを叶える事が出来ないとか言ってるが、自由になった途端いくらでも使ってくれるらしいぞ」

「黒天使にランプの精と、ファンタジー要素がたっぷりだな」

「まあ、ちょっぴり力は落ちるらしいがな」

「『ちょっぴり驚異の小宇宙パワー』だろ」

「君は小宇宙をみたか!!」

「聖闘士星矢になった!?」

「僕に小宇宙を教えてよ」

「むりやり、アラジンをつなげようとするな」

「俺、参上!!」

「それは、イマジンだ!!
 黒天使も、仮面ライダーを知ってるのか!?」

「俺は仮面ライダー剣が一番好きだ」

「何故そこで、文章にしたら一番面倒なライダーを!!」

「めんどくさいと言ったら、ヱヴァンゲリオンのヱっていうも、また変換がめんどくさいよな」

「そもそも、いつ、文章でヱヴァンゲリオンを打つんだ!?」

「劇場版『Air/まごころを、君に』では、白い敵がアスカを……」

「ストップ!! いくらネット上の1小説でも、ネタばれはだめだろ!!」

「そうか……、ってあれ?ここには誰にもいない設定じゃなかったのか?」

「こっちの事情だ」

俺は肩をすくめた。

「『こっちの事情だ』ですか」

と言って、デアは翼をすくめた(自由自在に動くらしい……)

「っで、何の用なんだよ」

翼を見て、本筋を思い出した。

「ああ、そんなどうでもいい話もしたな」

「どうでもいいの!?」

「今回呼んだのは他でもねェ」

デアは、したり顔で指を立て、
その指を、ビシッと俺に指して、貯めに貯めて言った。

「お前に白悪魔の討伐を依頼する!!!」



なんと、ヱヴァンゲリオンのアスカの白い敵くだりが伏線だった。
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