戯れに溺れる【TABOO】
あの頃と変わらない景色が、胸の奥の何かを燻る。
「ここに来てから今日までの1ヶ月間、一度もここに寄り付かなかったね」
柔らかい笑みに反し、その声は不満をあらわにしていた。
あたしが彼から逃げていた事を、彼はわかっている。
「どうして、俺と“ここ”を避けるの?」
意味深な瞳に心臓が跳ね上がり、ゾクリとした感覚が背筋を這う。
片方の口の端だけを上げた綺麗な表情は、あの頃よりも狡猾さに磨きが掛かっていた。
視線を逸らすと掴まれたままの腕を強く引かれ、噛み付くように唇を塞がれた。
「……っ」
懐かしい感覚に思わず目を閉じ掛けた時、シャツのボタンを外し始めた彼にハッとし、慌ててその手を掴む。
「やめて……」
僅かな抵抗を窘めるように鎖骨に舌を這わされ、喉を仰け反らせる。
直後に動きを止めた彼が、フッと笑った。
「彼氏、いるんだ?」
昨夜の情事で恋人に付けられた鎖骨の下の赤い痕に、気付いたんだろう。
だけど…
「ここに来てから今日までの1ヶ月間、一度もここに寄り付かなかったね」
柔らかい笑みに反し、その声は不満をあらわにしていた。
あたしが彼から逃げていた事を、彼はわかっている。
「どうして、俺と“ここ”を避けるの?」
意味深な瞳に心臓が跳ね上がり、ゾクリとした感覚が背筋を這う。
片方の口の端だけを上げた綺麗な表情は、あの頃よりも狡猾さに磨きが掛かっていた。
視線を逸らすと掴まれたままの腕を強く引かれ、噛み付くように唇を塞がれた。
「……っ」
懐かしい感覚に思わず目を閉じ掛けた時、シャツのボタンを外し始めた彼にハッとし、慌ててその手を掴む。
「やめて……」
僅かな抵抗を窘めるように鎖骨に舌を這わされ、喉を仰け反らせる。
直後に動きを止めた彼が、フッと笑った。
「彼氏、いるんだ?」
昨夜の情事で恋人に付けられた鎖骨の下の赤い痕に、気付いたんだろう。
だけど…