あの日のメールを取り消して
「カナタさんっ!」
ある日の放課後、アイが突然私のいるクラスに走ってきた。
「‥‥アイ。どうしたの?」
「今日、一緒に帰ろうと思って!‥だめ?」
「ううん、いいよ。ちょっと待ってね、もうすぐレポート書き終わるから‥」
久しぶりにアイの声を聞いた気がする。
相沢に用事があるから代わりに私ってことなんだろうけど、それでも正直嬉しかった。
私はさっさとレポートを書き終え、帰る準備を始める。
ただアイを待たせるのも申し訳ないから、話ながら用意することにした。