あの日のメールを取り消して




「ねぇ、アイ?」





「ん〜?」





少し、意地悪したくなった。





行き場のない劣等感や苛立ちを、アイにぶつけようとしていた。





本当は駄目だとわかっているのに。





「相沢が前好きだった女の子、誰か知ってる?」





ーーガタンッ!!





私が言い終えると突然、大きな音がした。





アイが鞄を落とした音だ。





振り仰ぐと、いつもとは違う、蒼白な顔をして震えるアイが見えた。



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