神龍と風の舞姫
王即位記念式典
「にしても華やかな式典だな」
申告の王即位式典に招かれていた信次は、隣に立つ雪斗にしか届かない声で感想を漏らした
その声音は面倒だという信次の心境を代弁しているようで、雪斗は苦笑しながら
「ほんとにな、ここまで華やかにする意味があるのかわからないけれど」
と、準備にどれくらいかかったのかわからないほど彩られた王宮を見上げる
「信次様、顔に面倒だ、早く帰りたいと書いてあります」
信次の後ろに立つヤブキが、軽く低頭しながら進言する
「構うな。どうせお前らにしかわからない。それに本心だ」
そういうなり、すたすたと王宮の正門へ向かって歩き出す信次の背に、ヤブキはなんとも言えない顔を向けつつ、そのあとに続く
申告の王即位式典に招かれていた信次は、隣に立つ雪斗にしか届かない声で感想を漏らした
その声音は面倒だという信次の心境を代弁しているようで、雪斗は苦笑しながら
「ほんとにな、ここまで華やかにする意味があるのかわからないけれど」
と、準備にどれくらいかかったのかわからないほど彩られた王宮を見上げる
「信次様、顔に面倒だ、早く帰りたいと書いてあります」
信次の後ろに立つヤブキが、軽く低頭しながら進言する
「構うな。どうせお前らにしかわからない。それに本心だ」
そういうなり、すたすたと王宮の正門へ向かって歩き出す信次の背に、ヤブキはなんとも言えない顔を向けつつ、そのあとに続く