神龍と風の舞姫
この年になっても忠誠者を持たない、けれど最強の力を持つ海斗を世界はのどから手が出るほど欲しがった

それはどんなに神龍国という壁の中にいてもわかる

そして彼らが何を考えそうかも

だから、国を出たのだ

標的になるのは自分一人で構わない

もし、コレクターにつかまって一生をコレクションとして過ごすとしても、権力を求める忠誠者に見つかって、道具として扱われようともそれが自分の選んだ道の結果なら受け入れようと思っていた

もちろん進んでそうはなってやらない

出来る限りの抵抗はしてみせる

けれど忠誠者を持たずに力を暴走させて、世界に多大な被害をもたらすことになるくらいなら、たとえ非人道的でも力が暴走しないならしたがってやろう

というくらいの思いだった

旅先でしるふに出会うまでは…



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