神龍と風の舞姫
小桃が基本世話?をする海斗の部屋に駆けつけてみると
見事に何もなかった
もともと物が散乱しているわけではない部屋の中は、すでに主人を失った特有の哀しみと静けさに包まれていた
海斗の部屋の前にはすでに、家臣であるヤブキ・ルノア・ユザ、長男である雪斗の姿があった
全員が、困惑とあきらめと不安がない交ぜになったよくわからない顔をしていた
「信次様、海斗様が出て行かれたのは夜の間。今から探せば見つかるのではないでしょうか」
そう進言してきたのは海斗が生まれる前からその世話をしてきたルノアである
今すぐにでも海斗を探しに行きたいと顔に書いてある
海斗の恐ろしくきれいに片づけられた部屋をもう一度見渡し、信次は目を細めた
きっと神龍国全兵士をもって海斗を捜索しても彼ならば逃げ切るだろう
海斗は簡単には捕まらない
海斗は腕のいい剣士でもあれば、最強といわれる神龍を身に宿している
そしてなにより感がよく、策士としての性質ももつ
その海斗が、自分から出で行く理由を持っているのに簡単に尻尾をつかませるとは思えない
といって、未だに忠誠者のいない海斗を野放しにするのは親として心配である
見事に何もなかった
もともと物が散乱しているわけではない部屋の中は、すでに主人を失った特有の哀しみと静けさに包まれていた
海斗の部屋の前にはすでに、家臣であるヤブキ・ルノア・ユザ、長男である雪斗の姿があった
全員が、困惑とあきらめと不安がない交ぜになったよくわからない顔をしていた
「信次様、海斗様が出て行かれたのは夜の間。今から探せば見つかるのではないでしょうか」
そう進言してきたのは海斗が生まれる前からその世話をしてきたルノアである
今すぐにでも海斗を探しに行きたいと顔に書いてある
海斗の恐ろしくきれいに片づけられた部屋をもう一度見渡し、信次は目を細めた
きっと神龍国全兵士をもって海斗を捜索しても彼ならば逃げ切るだろう
海斗は簡単には捕まらない
海斗は腕のいい剣士でもあれば、最強といわれる神龍を身に宿している
そしてなにより感がよく、策士としての性質ももつ
その海斗が、自分から出で行く理由を持っているのに簡単に尻尾をつかませるとは思えない
といって、未だに忠誠者のいない海斗を野放しにするのは親として心配である