神龍と風の舞姫
肩越しに海斗を振り返り、小さくほほを膨らませる
「話しかけなければいい」
「それじゃ何のためについてきてもらってるかわからないじゃない」
一人で回ってるのと何ら変わりはないではないか
もう、本当にこの男はどこかテンポがずれている
話の流れ的に一人より二人でみた方が楽しいよね、っていう意図を読み取ってはくれないだろうか
いや、きっとわかってるんだ
わかって敢えてこういってきているんだろう
はあ、と小さく息をついてからふと目を開けると
「……あれ?」
先ほどまで聞こえていた人々の声や鳥たちの羽ばたきが全く聞こえなくなっていた
前方にいたはずの女の子も見当たらない
「海斗?」
ねえ、おかしいよ
そう言おうとして後ろを振り返るが
「……かい、と…?」
その姿はどこにも見当たらなかった
つい何秒か前まで会話していたのに
気配だってあったのに
「どうして…」
昨日見た夢が思い出されて、しるふの心に言い表せない不安が広がる
何も感じることのできない世界
それがどれだけ気味の悪く、不安を煽るか
「話しかけなければいい」
「それじゃ何のためについてきてもらってるかわからないじゃない」
一人で回ってるのと何ら変わりはないではないか
もう、本当にこの男はどこかテンポがずれている
話の流れ的に一人より二人でみた方が楽しいよね、っていう意図を読み取ってはくれないだろうか
いや、きっとわかってるんだ
わかって敢えてこういってきているんだろう
はあ、と小さく息をついてからふと目を開けると
「……あれ?」
先ほどまで聞こえていた人々の声や鳥たちの羽ばたきが全く聞こえなくなっていた
前方にいたはずの女の子も見当たらない
「海斗?」
ねえ、おかしいよ
そう言おうとして後ろを振り返るが
「……かい、と…?」
その姿はどこにも見当たらなかった
つい何秒か前まで会話していたのに
気配だってあったのに
「どうして…」
昨日見た夢が思い出されて、しるふの心に言い表せない不安が広がる
何も感じることのできない世界
それがどれだけ気味の悪く、不安を煽るか