神龍と風の舞姫
「…っ。海斗!!!ねえ!!」
周りを見渡しながら必死に姿を見つけようとするが、人も動物も何もいない
「…!」
ここから離れたくて駆け出そうとしたしるふは、
足元に夢と同じ感触を覚えて思わず踏み出した足を戻す
視えない波紋が静かに広がっていくようだ
どうして
どうして、海斗の気配が感じ取れない
しるふが元いた世界から締め出されたのか、海斗がそうなのか
どちらにせよ、今、海斗は近くにはいない
そのことが今までにない不安を覚えさせる
「…海斗」
海斗から教えられた名を呼ぼうと口を開いた時ー
「しるふ」
「…!」
背後から呼ばれると同時に肩を叩かれて、反射的に振り返る
「……かいと…?」
見下ろしてくる青色の瞳を少しの安堵とともに見返しながら
はっとして周囲を見渡すと鳥の羽ばたきも人々の生活の音もすべてが戻ってきている
「どうした、急に立ち止まって」
「…今…」
何が起こったの?
気のせい、ではないはずだ
確実に海斗の気配がなかったのだから
周りを見渡しながら必死に姿を見つけようとするが、人も動物も何もいない
「…!」
ここから離れたくて駆け出そうとしたしるふは、
足元に夢と同じ感触を覚えて思わず踏み出した足を戻す
視えない波紋が静かに広がっていくようだ
どうして
どうして、海斗の気配が感じ取れない
しるふが元いた世界から締め出されたのか、海斗がそうなのか
どちらにせよ、今、海斗は近くにはいない
そのことが今までにない不安を覚えさせる
「…海斗」
海斗から教えられた名を呼ぼうと口を開いた時ー
「しるふ」
「…!」
背後から呼ばれると同時に肩を叩かれて、反射的に振り返る
「……かいと…?」
見下ろしてくる青色の瞳を少しの安堵とともに見返しながら
はっとして周囲を見渡すと鳥の羽ばたきも人々の生活の音もすべてが戻ってきている
「どうした、急に立ち止まって」
「…今…」
何が起こったの?
気のせい、ではないはずだ
確実に海斗の気配がなかったのだから