神龍と風の舞姫
「しるふ?」
不安そうな瞳をして辺りを見渡すしるふに海斗が問いかけるように名を呼ぶ
「……なんでも、ない」
ぎゅっと海斗の服を握りながらうつむく
肩で大きく息をして吐き出したと息とともにこの胸のつかえもなくなってしまえがいいのに
落ち着かせるように肩に置かれた手が、ひどく温かくて思わず涙がにじんだ
今日は、夢をみることなく朝を迎えることができた
そのことに天井を見上げながら思わず安堵の息をつく
宿の布団は洗い立てのいい肌触りで、それも一つの要因かもしれない
そう思いながら身支度を整えて一階にある食堂に下りる
隣の部屋を取った海斗は、食堂にはいなかった
まだ起きていないのだろうか
朝は早い海斗にしては珍しい
支度された食事のお盆を持って空いているテーブルに向かおうとしたら
「嬢ちゃん、嬢ちゃん」
宿を仕切る50代くらいの叔母さんに背後から肩をたたかれる
「青髪の子の連れって嬢ちゃんだったよねえ」
ゆったりとした口調で確かめるように見上げられる
「あ、はい」
そうですけど…
「これ、その連れの子が渡しておいてくれって」
そう言ってお盆の上に小さな紙切れを置く
不安そうな瞳をして辺りを見渡すしるふに海斗が問いかけるように名を呼ぶ
「……なんでも、ない」
ぎゅっと海斗の服を握りながらうつむく
肩で大きく息をして吐き出したと息とともにこの胸のつかえもなくなってしまえがいいのに
落ち着かせるように肩に置かれた手が、ひどく温かくて思わず涙がにじんだ
今日は、夢をみることなく朝を迎えることができた
そのことに天井を見上げながら思わず安堵の息をつく
宿の布団は洗い立てのいい肌触りで、それも一つの要因かもしれない
そう思いながら身支度を整えて一階にある食堂に下りる
隣の部屋を取った海斗は、食堂にはいなかった
まだ起きていないのだろうか
朝は早い海斗にしては珍しい
支度された食事のお盆を持って空いているテーブルに向かおうとしたら
「嬢ちゃん、嬢ちゃん」
宿を仕切る50代くらいの叔母さんに背後から肩をたたかれる
「青髪の子の連れって嬢ちゃんだったよねえ」
ゆったりとした口調で確かめるように見上げられる
「あ、はい」
そうですけど…
「これ、その連れの子が渡しておいてくれって」
そう言ってお盆の上に小さな紙切れを置く