浮気性な貴方
「っ、ごめんなさい。全然、知らなかった…」


「お前の前では、カッコつけたかったから…。だけど、そのせいで傷付けたよな…。

本当にごめん」


「私も、ごめんなさいっ」


「もう、2度とあんな思いはさせないから。だから、もう1度、俺と付き合って下さい」


「っ、はいっ」


ごめんね、全然気持ちわかってあげられなくて、ごめんね。


ごめんなさい…。

小さく、そう呟くと柊くんがギュッと抱き締めてくれた。


温かいこの温もり…。


またこの腕の中に、彼の傍に戻って来れた…。


「好きっ」


思わず、こぼれてしまった言葉。


「俺も好きだよ」


そう言うと、もう1度強く柊くんが抱き締めてくれた。


もう、この手を離さない…―――。

< 31 / 37 >

この作品をシェア

pagetop