空から舞い降りた天使
亜子はあかねの様子が気になり、電話をいれる。



「早崎さんのお宅ですか?」



「はい、そうですが。」



「あかねさんの担任の中田と申します。あかねさんは、いらっしゃいますか?」


「先生ですか?ご無沙汰しております。お手伝いの高山です。お嬢様のお部屋におつなぎしますね。」





「もしもし、あっ、先生?今日は何も言わずに帰って、ごめんなさい。」



あかねの声が少し震え、鼻をすする音が聞えてくる。


「早崎さん、大丈夫なの?どうしたの?
泣いてるの?」



「亜子先生、大丈夫。
心を抱き締めてくれてん。」



「早崎さん、意味がわからないわ。」



「そうやね。忙しい母が、少し私をみてくれて、ぎゅって抱き締めてくれてん。」



「そうなの。早崎さん、よかったわね。先生も少し安心したわ。」



「これからは、おとなしい、いい子は卒業する。」



「そう。お母さんもきっと、嬉しかったわね。」



「うん。」





こんな嬉しそうに話す、早崎さんは、初めて。
よっぽど、嬉しかったのねぇ。



「明日は学校これるわよね。」



「うん。明日はもちろん、行きます。
先生、ありがとう。」



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