空から舞い降りた天使
ミハルが帰ったあとに、山下はあかねに電話をする。


あかねは電話にでない。


仕方ない学校にいくしかないか。などと考え、あかねのいる学校にむかった。




ちょうど、生徒たちが帰る時間。



女の子の輪にはいっている、あかねを見つけた。




「早崎…ちょっといいかぁ?」



「なに?」



山下を無視するように、あかねは、また女の子たちとわざと話だす。



「早崎…調子はいいのか?」




「あかね、あかねが調子悪いの先生しってるの?」



「そうみたいね、いこっ。」



「ちょ、ちょっと待ってくれる?」



山下が必死になり、あかねの手を掴んだ。





「みんな、ごめん、先にかえっててくれへん?先生が用事があるらしいねん。」



あかねは冷めた口調で。



女の子たちの想像がとまらない。
先生があかねに、なんの用事?
あかねが調子悪いのに関係あるの?



こそこそいってるのが、聞こえてくる。




和樹の彼女の一美があかねにむかって。



「ああ、そういえば、あかね、この前、財布落として、それ拾ったのが、先生で、カードの手続きなんかあるから、そんな話じゃあない?」



無理のある嘘を一美がついてくれる。




「じゃあ、私たちはいこっ。」



一美がみんなを引き連れて帰っていってくれる。




一美は振り返り、あかねにウインクをし、みんなと帰っていった。



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