空から舞い降りた天使
二人で笑いながら、階段をゆっくりと降りて行く。



一番下まで降りた所で、見慣れた後ろ姿を見つけた。







…隼人なの?






隼人が誰かに話かけている様子が目に飛び込んでくる。




「あれ?桜?
亜子先生、急ぎましょ。」



山下と亜子は、隼人の横を通り過ぎる。




「あっ…」




隼人の小さな声が聞こえたような気がした。




隼人の前にいた女の子は、大粒の涙をポロポロと落としていく。






隼人…




嘘…でしょ?






「亜子先生、大丈夫ですか?
何か理由があるんですよ。桜はそんな男じゃあないですから。」




「山下先生、桜くんが誰とつきあおうと先生のアタシは、そこまで、踏み込めませんから。」




動揺してる。




隼人が誰かといるだけで、ココロがゆらゆらと揺らめいて、チクチクと痛くなる。




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