空から舞い降りた天使
手摺りに両手をかけた瞬間
強い風にのって、ふぁっと、いい香りに全身が包まれた。
「ち、ちょっと、待って。」
「誰…?」
「何して…る…の?」
「……」
「何年生…?」
「あ…の、今日はいったばかりの…」
「キミ…ダメだよ。そんなことしちゃあ。」
「あっ、僕ね、山下。」
「もしかして…せんせい?」
「そう、体育の先生。」
「何があったか、知らないけど、よくないよ。」
「僕でよければ、話きいてあげるから、いつでも、どーぞ。」
「せんせい、今日のこと、…」
「言わないよ。二人だけの秘密にしとくよ。」
「あっ、キミ、僕に用事がある時は、体育館においで…」
山下先生とは、それから週一回逢うようになった。
隼人に、声をかけたのも、私。
隼人には、助けてほしかったのかもしれない…