空から舞い降りた天使
「早崎さん、僕のこと、どう思ってる?」



「山下先生は、あの時に助けてくれて、それで、体育の先生で、それで、生徒からも人気があって…」



「もう、いいよ。」



そして、そして、各学年に、私みたいな子がいる。
悪い噂を聞いたの
先生。


それでも、私は何かに引き込まれるように、この場所にきてしまう。




「桜だろっ―‐。君の心を桜が占領してる。」



「隼人が…」



「先生ったら、珍しく、ヤキモチやいてるんちゃう?」



「僕がまさか…君に?」



「うん。私に。」



あかねの大人っぽい顔が子供のいたずらっぽい顔に変身する。



「ただ、僕は、君がいつも心配で。」



「ふ〜ん、心配?」




あかねは、山下が少し愛しくなり、自分の方から近づいていく。



「先生〜早崎じゃあなくて、あかねでええよ。」



あかねは、背の高い山下にあわせて、精一杯に背伸びをする。



そして、軽く唇を合わせる。



「先生が、かわいくみえたから〜。」




あかねからの初めてのキスに山下は我慢できずに。




「あかね、桜のことなんか僕が忘れさせてやる…」



二人は激しく悲しい唇づけを交わした。



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