空から舞い降りた天使
優しい言葉をかけられ、次から次に亜子の頬に涙が、すべり落ちていく。



「亜子…」



隼人が亜子の華奢なカラダを大きな手で、後ろから包み込む。



「隼人…」




亜子の胸の前で組まれた大きな両手に小さい掌が重なり合う。




隼人の唇が亜子の髪の毛に触れ、首筋へと落ちていく…





「ねぇ、隼人…ここは…」



亜子が大きくカラダを反らせ、隼人の唇から逃れる。


「亜子…おれ、もう我慢が…」




「ご、ごめんなさい。隼人が学校を卒業するまで、待って。」



「おれ、待てないかも…?」



「待って…」




アタシの中の先生が邪魔をする。



隼人はアタシの生徒。
アタシは、先生、先生。





「あっ、早崎さんの家にいかなきゃあ。」




「ちくしょ―‐っ
おあずけってこと。」



隼人は髪の毛をくしゃくしゃと掻き乱した。



「隼人、それに、この教室ではイヤッ」




「あ〜、あかん、可愛すぎっ。」





少し興奮した隼人の声だけが、音楽室に響いていた。



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