空から舞い降りた天使
学校から、車で15分。



ゆるやかな坂道をあがっていくと、いわゆるそこは、この辺りでも有名な高級住宅街。



門にはいるまでの木々も綺麗に手入れされている。



小鳥のさえずる声と共に透き通る空気に触れると、こころまでゆったりとした気分になる。




なんて、立派なお家。というよりも、お屋敷。



ピンポーン〜



誰もいないのかしら?



ピンポン〜



「はい。」



「早崎さんのお宅ですよね。あの…私、担任の中田というものですが、あかねさんは…いらっしゃいますか?」



「お嬢様ですね…はい。少々お待ちくださいませ。」


「あの〜どちらから、はいれば?」



「そちらの門でけっこうで、ございます。」



亜子の前の大きな門がゆっくりと、開いていく。



門をはいっても、どこが玄関なのか、全くわからない。


少し歩くと、白いエプロンをした、年配の人がお辞儀をしている。



< 55 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop