空から舞い降りた天使
「先生…噂って…?」


あかねが一番聞きたかったことが、つい、言葉にでてしまう。



「噂…?何の…?」



「うん…」



そこまで、溢れそうになった感情をおさえて、あかねは口を閉ざしてしまう。



「噂かぁ〜?僕に?」



「うん。」



「僕、女の子によく、手紙とかもらうんだ。その…こと?」



「大丈夫だよ。僕は…僕の生徒だから。」



私も生徒だよ…



私も…
生徒だよ。



「思ってることがあったら、言ってごらん。」




私は小さい頃から、ぐっと自分の胸に感情を押し殺してきた。



「先生…私…」






山下の携帯がブルブルと鞄の中で震える。



「あっ、呼び出しだ。ごめん、いかなきゃあ。」



「じゃあ、僕は先に行くよ。」



「私もでるね。」




時間差で二人はゆっくりと外に。



山下は職員室に。



あかねは校門に歩きだした。



< 71 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop