空から舞い降りた天使
「亜子ちゃぁ〜ん、もうおわったん?」



「隼人、今日はね、遅くまでかかりそうなの。」



「ほんじゃあ、まっとくわ。なーんて、二人でどこもいかれへんかぁ…
外も歩かれへん…っと。」


「うん、今はねっ。」



「じゃあ、俺、おとなしく帰ろうかなっと。」



「ごめんね、今度、時間つくるから。」






隼人が教室をでて、廊下をゆっくりと歩きだす。






少しゆるい下り坂をおりると、そこには、可愛らしい女の子が立っていた。







「…桜先輩。」



呼び止められて、隼人は少しびっくりしながら



「俺…?」



「…はい。あの…桜先輩…」



「俺になんか用?」



「少し時間ください…。」


女の子は、隼人と目を合わせられずに、下をむいたまま、頬をうすいピンク色に染めていく。



< 72 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop