空から舞い降りた天使
「藤野さん、気持ちはありがとな。早崎さんとは、ほんまに何にもあらへんから〜」




「隼人〜まぁ、今は何にもあらへんもんなぁ〜」



あかねはクスクスと笑いながら、隼人に視線を移す。



「あっ、私はじゃあここで…」



「藤野さん、ごめんねぇ〜」



「だから、なんで、お前がいうねん〜」




いつのまにか、藤野の姿はなく。




「ほんで、俺に何か用?」


「用っていうか、ちょうど、通りかかったら、可愛い子がこくってるやん。これは見物したいやん。」




「隼人、しつこくして、ごめんな。」



「おまえらしくない、言い方」




「実は好きな人できてん…」



「好きな人って〜?」




もしかして、山下かぁ?こいつ、あれからまだ、山下と…




「あかね…おまえ、大丈夫なんかぁ?」



まぁ、俺が心配することじゃあないのは、わかってるんやけど。




「元彼に心配してもらって、嬉しいなぁ〜」



そんな問題じゃあなくて。


「隼人はどうなん?」



「俺かぁ、彼女がおるで。可愛いし、ほんまは甘えてほしいねんけどなぁ〜」




隼人の彼女なら幸せかもしれない。




「あかね、おまえ、その彼とは、幸せになれそうか?」




「まだ、わからへんけど、幸せになりたいなぁ。」




「そうか、頑張れよな。」



「隼人もやで。ちゃんと捕まえとかなあかんよ。」



「おまえにいわれたくないわ〜。」




「じゃあ、お互い幸せになろうって事で、ほんじゃあね。」




あかねは隼人の横をスルリとすり抜け、近くにいたクラスメートの輪の中にはいっていった。




< 74 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop