空から舞い降りた天使
教室にはいると、やけに、ざわざわと賑やかで、あちらこちらで、女の子達がかたまり、ヒソヒソと噂話をしている。




「ねぇ、ねぇ、聞いた?山下先生、彼女いるらしいよ。」




話声があかねの耳にやたら
と大きく聞こえる。




「校門のまえで、綺麗な人と会ってたんだって!!
それで、いつの間にか、いなくなってて…」




「広まるの、早いから、みんなきっと騒いでるよ。
だって、山下先生って、女の子に、もてるもんねぇ。それに、イケメンやから、ほっとくわけないかぁ。」



「…」




あかねの胸がチクッと痛み
誰にもみつからないように
両手で耳をおさえる。





「あかね、山下先生、彼女おるんやって。」



「ふ〜ん。そうなん。」



「あの後、どこいったんやろう?想像するよねぇ。」



「…」




鼓動が激しくなり、息もしづらいぐらいに、胸を押さえつける。




「ごめん、ちょ、ちょっと調子わるいから、保健室いってくる。」




「あかね、大丈夫?顔色がよくないよ。」



「ついていこうか?」



「ひとりでいけるから、大丈夫。」





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